萬屋直人

1 旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。

旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。

世界は穏やかに滅びつつあった。「喪失症」が蔓延し、次々と人間がいなくなっていったのだ。人々は名前を失い、色彩を失い、やがて存在自体を喪失していく…。そんな世界を一台のスーパーカブが走っていた。乗っているのは少年と少女。他の人たちと同様に「喪 萬屋直人 2023-04-21 20:46:19