「戯言シリーズ」の2作目は、2002年5月に文庫化されました。前作から約1ヶ月後の舞台は、主人公の通う大学や街です。前作とは異なり、彼を中心に物語が展開されます。前作以上にミステリとしての要素は少なく、事件は物語の展開のきっかけ程度の役割に留まります。事件を追うよりも、登場人物の動機や心理に焦点が当てられています。このため、謎は明かされず、物語が進むにつれて読者の不満を残す箇所があるかもしれません。しかし、この作品は登場人物の心理描写に深く踏み込んでおり、その歪んだ動機や人間模様の崩壊がエグくも興味深く描かれています。主人公の冷たさを感じさせる場面でも、真相が明かされた後では別の印象を抱く可能性があります。物語の結末は驚きと衝撃の連続で、シンプルな英語のメッセージが苦い余韻を増幅します。前作同様、詳細は語られませんが、広がりを感じる言葉や暗示もあります。ノベルス版との違いは、表紙、扉絵、アトガキ、表紙袖の口上です。文庫版のオリジナルしおりや、カラー扉絵には少年くんが描かれています。文庫化では加筆修正は極力行わないスタンスだそうです。また、少年くんをメインに据えた新作が四部作で予定されており、2008年8月の「メフィスト」誌から先行掲載され、書籍化される予定です。
西尾維新(にしおいしん、1981年-)は、日本の作家。男性。ミステリーやライトノベルに属する作品を、主に著している。立命館大学政策科学部中退。2002年に『クビキリサイクル』で、第23回メフィスト賞を弱冠20歳で受賞しデビュー。同作の主人公を語り手とする『戯言シリーズ』で主に若年層に高い人気を博し、『このライトノベルがすごい!2006』において1位、『このライトノベルがすごい!2007』でも3位にランクインした。文芸誌『ファウスト』で活躍し、笠井潔、森博嗣、京極夏彦、清涼院流水、上遠野浩平らに強い影響を受けたことを同誌面上にて公言している。また、乙一、佐藤友哉、奈須きのこら『メフィスト』や『ファウスト』の若手執筆陣との友流がある。後書きは近況報告や関係者への礼に終始することの多いライトノベル作家には珍しく、メッセージ性の強いものを多く書く。...
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