本書は、従来の田中正造研究を実証的に批判し、等身大の田中正造像を描き出すとともに、鉱毒論についても明治知識人の視点から論じ、鉱毒問題研究に新たな知見を提供しています。
ただし、本書を近代性をめぐる思想史研究として読むならば、著者が言う「近代を超克する」とは具体的にどのような意味なのかを知りたいと思います。また、著者が近代性を問題にする理由の一つは、中国において近代が現在の現実の問題であるということですが、その場合、鉱毒問題がどのような示唆を中国の近代性について考える上で提供するのか、また日本の思想史が同様にどのような示唆を与えるのかも知りたいと思います。
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